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騰落株足取りで市場を分析
2023-01-27 ・更新
インデックス取引は、珍しい選択かもしれません。 しかしながら、株式市場について詳しく知れ、銘柄が指数に与える影響を見ることができる絶好の機会となります。 この記事では、指数取引のために特別に作られた指標や騰落株足取りについて説明します。
騰落株足取りは、RSI、推計統計学、移動平均収束拡散などの他の取引指標と比べると、あまり人気のないテクニカル指標と言えます。 他の指標は、株価の強弱を判断することを目的としたモメンタム系の指標です。しかしながら、A/Dライン指標は、株式市場の上昇や下落に、どれだけの買い手と売り手が参加しているかを示す市場幅の指標なのが特徴的です。
この記事では、A/D指標とその株式市場での応用について説明します。 メタトレーダーにこの指標を追加すると、株式や指数だけでなく、あらゆる資産に使用することが可能となります。
騰落株足取りとは
ADL（騰落株足取り） は、1日単位で上昇する銘柄と下降する銘柄の差を表示するテクニカル指標です。 この指標は、主に株式や指数の取引に使用されています。 これは、市場の上昇や下落に参加する銘柄を示すものです。
最も人気なのは、時価総額加重型の指標となります。 このタイプは時価総額加重型指数とも呼ばれています。 特定銘柄のウェイトは、時価総額の合計で決まります。 このような指数では、時価総額の大きい銘柄のウェイトが高くなり、その株価変動が指数のパフォーマンスに大きな影響を与えることになります。 例えば、S&P 500ではApple株が最も大きなウェイトを占めています。
S&P 500、DJIA、NASDAQ Compositeなど時価総額加重型の指標が多いため、時価総額の大きい銘柄は指標パフォーマンスに不釣り合いな影響を与えることになります。 ですので、ADLは指標銘柄のうち、どの程度の割合で市場の方向性に参加しているかを示しています。
例えば、時価総額加重型の株価指数が3％上昇した場合、トレーダーは2つの重要なことを知っておく必要があります。 まず初めに、指数上昇が多数派銘柄の増加によるものか否かを把握することが重要となります。 次に、指数上昇が、指数に大きなウェイトを占める企業の例外的な業績によるものか否かを知る必要があります。 騰落株足取りは、このような情報を提供します。
騰落株足取りの計算式
騰落株足取りは簡単に計算をすることができ、わかりやすいです。 要するに、騰落株足取りは3つの要素で構成されています。 1つ目は上昇銘柄、2つ目は下落 銘柄、3つ目は過去の純増数です。
株式上昇率とは、ある市場指数において、直近1日で上昇した銘柄の総数を指します。 株価下落とは、ある市場指数において、直近1日の間に株価が下落した銘柄の総数を指します。 また、前日純増とは、前日までの上昇銘柄と下降銘柄の純増を指します。
まとめ：
備考：
上昇銘柄とは、日々上昇している銘柄の数を指します；
下落銘柄とは、日々下落している銘柄の数を指します；
前回純増とは、日次ベースでの上昇分と下降分の純増分を指します。
MetaTraderでの騰落株足取り
騰落株足取り指標は、標準の指標リストには含まれていないので、お客様ご自身で取り付けていただく必要があります。 そのためには、いくつかの手順を踏む必要があります：
- まず、騰落株足取り(Advance Decline Line) for MT5 を .mq5 形式でダウンロードします。 MT4の場合は、.mq4が必要です。
- 次に、MT4またはMT5プラットフォームを開き、ファイル - データフォルダを開く から、MQL4/5 - エキスパートまたは指標 を選択し、MQL4/EX4またはMQL5/EX5形式の指標ファイルをこのフォルダに転送してください。
- Metatrader 4/5を起動または再起動します。
- MT5指標をテストしたいチャートと時間枠を選択します。
- “挿入”をクリックし、“指標”をクリックすると、“カスタム指標”セクションに“騰落株足取り”が表示されます。
- 設定変更後、okを押すと、チャート上に騰落株足取りが表示されます。
騰落株足取りのシグナル
騰落株足取りが出すシグナルは、大きく分けて2つあります。 それでは、見ていきましょう。
トレンドの強さ
まず、トレーダーはトレンドの強さを確認するために使用することが可能です。 以前にも述べましたが、騰落株足取りがプライスアクションとともに上昇する時、それは健全な上昇トレンドを示しています。
上昇トレンドにある銘柄の参加が広く、値動きも上向きが続くと予想されます。 下降する線が下落する値動きと組み合わさった時に、それは健全な下降トレンドの兆候になります。 価格は引き続き下落する見込みです。
下図は、S&P500の価格チャートです。既存の価格トレンドの健全性を確認するために使用される、騰落株足取りが表示されている例となります。
S&P500の価格と騰落株足取りが同じ上昇トレンドの方向に動いている。 騰落株足取りは上昇することで値動きを確認しています。 これは、この上昇トレンドに株式が広く参加していることを示しており、価格トレンドをある程度確認することができます。
逆転の可能性
次に、トレーダーは騰落株足取りを使って、ピボットポイントの可能性を見出すことができます。 既存の上昇トレンドが反転する可能性がある瞬間、価格行動は高値を更新します。騰落株足取りは、安値を更新することを期待する必要が出てきます。 これを価格と騰落株足取りとのベアリッシュ・ダイバージェンスといいます。
その一方で、既存の下降トレンドの反転の可能性は、価格チャートを研究し、騰落株足取りがより高い安値を作る一方で、徐々に下がっているスイングローを探すことで識別することができます。 これを価格と騰落株足取りのブリッシュ・ダイバージェンスといいます。
下記は、Nasdaqの価格チャートです。価格と騰落株足取りのダイバージェンスを特定するために使用される騰落株足取りと共に表示された例となります。
NASDAQの値動きは、2つの大きなスイングローを作り、2番目のスイングローが最初のスイングローよりも低くなっています。 それと同時に、騰落株足取りは2番目の安値が1番目の安値よりも高いというパターンを作りました。 これは、価格と騰落株足取りとの間にブリッシュ・ダイバージェンスを生じさせます。
騰落株足取りの例
下のチャートは、S&P 500指標の騰落株足取りを示しています。 このグラフは、2020年に新型コロナウイルスの蔓延が発表された時に、レートが急激に下がったことを示しています。 これは、S&P500指数において、下落銘柄数とその出来高が増加したために起こりました。
その直後、株式数の上昇に伴って、指標も上昇し、その出来高も増加しました。
騰落株足取りの障害について
NASDAQ銘柄の場合、騰落株足取りは必ずしも正確なデータを提供するものではありません。 理由としては、NASDAQは小規模で投機的な企業が多く上場しており、その多くが破綻、上場廃止となっているからです。 上場廃止になったとしても、銘柄は前回算出したA/D線の値のままです。 これは、前回の累積値に加算される今後の計算に影響します。 このため、NASDAQの指数価格が上昇している時でも、騰落株足取りが長期に渡り、下落することがあります。
もう一つ注意しなければならないことは、一部指数が時価総額で加重されていることです。 つまり、大企業ほど指数の動きに大きな影響を与えるということです。 騰落株足取りは、全銘柄に均等な重みを与えています。 なので、大型株やメガ株は少なく、中型株、小型株、中型株の指標として優れていると言えるでしょう。
まとめ
騰落株足取りは、主要な市場の指標内の価格アクションに、貴重な洞察を与えることができる優れた指標です。 騰落株足取りが出す、最も信頼できる売買シグナルはダイバージェンスシグナルです。 トレーダーは、価格アクションと騰落株足取り間のブリッシュ、またはベアリッシュ・ダイバージェンスシグナルに注意する必要があります。 このようなイベントは、市場の反転につながり、かなりの利益をもたらします。
同様
結果が得られませんでした。
