2023-08-15 ・更新

ジェシー・リバモア氏："ゲームがゲームを教えてくれた" なぜ取引で経験が重要なのか？

"ゲームがゲームを教えてくれた" ("The game taught me the game. And it didn't spare me the rod while teaching.") ジェシー・リバモア氏のこの名言は、インスピレーションや取引の知恵の源として、多くのトレーダーに紹介されています。しかし、その真意はどうなのでしょうか。また、取引との関係とは？このようなことが、この記事でわかるようになっています。

ジェシー・リバモア氏とはどのような人物で、取引にどのような影響を与えたのか？

ジェシー・リバモア氏は、20世紀前半のアメリカ株式市場を席巻したことで知られる有名な株式トレーダーで、金融界の伝説と言われています。彼は、わずか14歳で取引を始め、15歳の時には3.12ドルの最初の利益を記録していました。その後、彼の主な仕事は取引をすることとなり、それが収入源となっていきました。

学校教育を受けず、自己資金のみで取引を行ったリバモア氏は、何の知識もないところから富を築くことに成功したのです。極端な損失を被ったこともありましたが、それでも常に資本を増強することに成功していました。

ジェシー・リバモア氏は1929年、彼の取引人生でのピーク時に、たった1日で1億ドル（現在のドル換算で15億円）を稼ぎました。世界恐慌のさなかに私財を投じ、この大成功を収めたことを考えれば、リバモア氏が史上最高のトレーダーの称号を得たのも納得がいくと思います。

勤勉で洞察力のあるトレーダーであったリバモア氏は、どのポジションを開き、いつ利益を得るべきかを的確に把握していたのです。彼は、相場下落を見事に予測し、”ウォール街のグレートベア（偉大な熊）”と呼ばれていました。リバモア氏は、強気相場ではロング、トレンドの方向が変わったらショートというトレンド取引戦略を好んでいました。

ジェシー・リバモア氏は、自分の経験を全て書き留めた取引ジャーナルを書いていました。彼は、一般的な市況が株価にどのような影響を与えるかに注目し、市場の動きを予測する方法を学んだ、最初のトレーダーでした。その後、彼は自分の取引手法や市場に関する観察結果を一般公開し、その後何十年にも渡って、トレーダーの戦略構築に大きな影響を与えてきました。

ジェシー・リバモア氏の取引に関する見解

ジェシー・リバモア氏はかつてこう言いました： "人は全ての失敗の教訓を学ぶには長い時間がかかる。何事にも裏表がある。しかしながら、株式市場には1つの側面しかなく、それはブルサイドでもベアサイドでもなく、正しい側面なのです。"

ジェシー・リバモア氏はトレーダーとして広く知られましたが、その代償はありませんでした。市場の仕組みを理解するのに時間がかかり、スキルを磨いて、確実な取引計画を立てるには更なる時間が必要になりました。その上、計画から外れ、避けられるはずのミスを犯し、何度も大きな損失をしてしまいました。

それでも何度も挑戦し、少しずつ技術を磨いて、取引計画を完璧に仕上げていったのです。また、ジェシー・リバモア氏は、取引の教科書も、無料レッスンもないまま、包括的な分析が誰でも瞬時にできる時代に生きていました。ジェシー・リバモア氏は、全てを練習から学んだのです。

”ゲームがゲームを教えてくれた”とリバモア氏はよく言っていましたが、彼にとっては真実だったのです。練習をたくさんし、取引経験を積んだからこそ、人生で最も大きな取引をすることができたのです。実際に自分で行動し、そのルールを自分で発見することで、彼は地位を築いたのです。経験こそが取引の鍵であり、ジェシー・リバモア氏はまさにこの名言を体現しています。

取引における経験：何が大切なのか

取引には、経験が非常に重要な役割を果たします。取引計画を立てたり、市場分析をしたり、ポジションを開閉じたするには、練習が必要になります。

もちろん、取引の理論的な基礎を学ぶ方法はありますが、それを実践で応用するだけでも大変なことです。実際の取引は、教科書やオンラインレッスンで説明されるよりもペースが速く、はるかにストレスがかかるので、絶えず動くチャートに没頭してしまうでしょう。このような状況下で仕事をして経験を積むことは、トレーダーとして成功するために非常に重要となります。

経験というものの、もう一つの側面としては、失敗をすることです。失敗をすることは誰もあまり話したくないかもしれませんが、取引にはお金がかかっているので、絶望してしまうかもしれません。しかしながら、これらの失敗に対処する上で何をするか、そしてこれらの挫折から抜け出す方法もまた、取引経験に貢献していきます。失敗した後にこれらを学ぶことで、将来的に失敗を回避し、現在の取引戦略を強化することができます。

取引経験が豊富であれば、自信が持て、情報に基づいた判断ができるようになります。自分の行動をより確かなものにし、直感を信頼することが、トレーダーにとって非常に重要なスキルです。また、ストレスフルな状況でもパニックになりにくく、より簡単に脱出方法を見つけることができます。

取引教育：取引の経験を積むには

では、どうすれば取引の経験を積むことができるのでしょうか。正しい方法はひとつだけではありません。複数のソースから取引経験を積み、あらゆる機会を利用して市場への理解や取引スキルを向上させることがよいでしょう。

取引に関する書籍などを読む

書籍は、最もよく知られた知識の源であり、取引ブックも例外ではありません。多くの伝説的なトレーダーが、プロトレーダーになるためのヒントを詰め込んだ金融市場の経験についての本を執筆しています。ジェシー・リバモア氏自身も、株式での取引方法<0>という本を執筆しており、自分のシステムを説明し、勝利できる取引ルールを共有しています。初心者向けの書籍としては、ベンジャミン・グレアム著賢明なる投資家（原題：The Intelligent Investor）、ジョン・マーフィー著先物市場のテクニカル分析（原題：Technical Analysis of Financial Markets）などが有名です。

経験豊富なトレーダーについていこう

経験豊富なトレーダーは常に良いアドバイスをしてくれます。なので、彼らのヒントや戦略に従うことは、初心者にとって非常に有益なこととなります。最近では、多くのベテラントレーダーがブログやYouTubeチャンネルで成功した際の記録を残しており、ライブストリームを立ち上げ、初心者トレーダーが戦略を改善するためのレッスンをしています。可能性は無限大なので、これから始める方でも、簡単にフォローする相手を見つけることができます。

初めはデモ口座を利用する

ライブ取引を始める前に、初心者はデモ口座を設定するのが効果的となります。デモ口座とは、初心者トレーダーが仮想のお金を取引し、スキル練習をするためのシミュレーション取引環境です。このため、これらは、取引プラットフォームに慣れ、取引戦略を試して、市場を感じ、自分のスキルに自信を持つ絶好の機会となっています。

メンターを探す

最初の数回（あるいは数十回）の取引を指導してくれる人がいれば、不安は解消され、取り返しのつかない失敗をすることもないでしょう。メンターとは、取引経験が豊富で、初心者がノウハウを学ぶのを手伝ってくれる人のことをいいます。取引は、始めたばかりの頃はかなり難しいので、知識を共有できる人がいると、より早く貴重な経験を積むことができます。

取引ジャーナルを持つ

自分の取引を記録した取引ジャーナルをつけることは、とても便利な習慣です。これは、プロのトレーダーもやっています。取引に関する重要なことは、全て書き留める必要があります：

エントリーポイント、エグジットポイント
タイミング
サポートとレジスタンスレベル
毎日の市場開閉

この情報は、成功や失敗の要因について洞察し、何が正しかったのか、または間違っていたのかを理解して、経験から学ぶのに役立ちます。

取引の一員になろう

もちろん、積極的に取引に参加しなければ、本当の意味で貴重な経験を積むことはできません。始めた頃、緊張してしまうという方は、取引口座全体をリスクにさらすことなく、小さな取引から始めてみてください。慣れてきたら、取引の資本を増やしてみましょう。そして、何か問題が起きた際に、自分の取引戦略を適応させることを決して忘れないでください。そのために、今まで経験を積んできました。

まとめ

トレーダーの道は険しいです。取引でキャリアを積もうと思ったら、乗り越えなければならない壁がたくさんあります。取引を始めたばかりの際に一番大切なのは、経験を積むことです。取引経験がたくさんあることで、自分の判断に自信を持つことができ、失敗を避け、より良い成功戦略を構築し、一攫千金を狙うことができるかもしれません。参加してみたいと思いましたか？