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モメンタムの使用方法
モメンタムとは、テクニカル分析において、価格の変化率を判断するためのツールとなります。 トレーダーは、現在のトレンドの確認、エントリー・エグジットのシグナルの発見、反転の可能性の予測に使用することができます。
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モメンタム戦略とは
モメンタム取引戦略とは、現在のトレンドの勢いを利用して資産を売買し、リターンを最大化することです。 この戦略は、一度確立されたトレンドはしばらく続く可能性が高いという根拠に基づいています。
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モメンタム効果の定義とは
モメンタム効果とは、前月に特別に良かったり悪かったりした資産が、しばらく同じ方向に動き続ける傾向のことを表します。
Momentum Indicators
モメンタム
モメンタムとは
モメンタムとはテクニカル分析において、一定期間の資産価格の変化率を測定するためのツールです。 これらの指標は、現在のトレンドの強弱を識別できるので、取引する上で非常に役立ちます。 一般的に強気相場は弱気相場よりも長く続き、発生頻度も高いので、モメンタムはより信頼性の高い分析を行うためのデータを持っていることになります。そして、特に強気相場で役に立ちます。 しかしながら、これらの指標だけではトレンド方向を特定することはできないので、他のツールに加えて、モメンタムを適用するのがよいでしょう。 チャートについては、どのモメンタムも、メイン価格チャート下にあるグラフ上に線として表示されます。
モメンタムダイバージェンス
モメンタムダイバージェンスとは、モメンタムの動きの方向と、資産の市場価格の差のことを表します。 例えば、ある資産価格とモメンタムの両方が下落しているにも関わらず、その後のモメンタムの下降が止まったり、上昇を始めたりした場合は、モメンタムダイバージェンスが発生していることになります。
モメンタムダイバージェンスは、値動きの勢いが鈍化していることを示します。 これは、現在の市場トレンドが終わりに近づいている可能性が高く、すぐに反転する可能性があることを示唆しています。 モメンタムダイバージェンスは、最初の価格とモメンタムの動きの方向性により、強気にも弱気にもなり得ます。
モメンタムのメリット
モメンタムは、複数のパラメータを識別することができるので、次のステップを描く必要があるトレーダーにとって非常に価値のある指標となります:
- リバーサルポイント モメンタムは、市場が反転するタイミングをトレーダーに予測させるものです。これは、モメンタムと値動きのダイバージェンスを測定することで識別できます。
- トレンド モメンタムは、トレンドの強弱を判断するものです。なので、トレーダーはこの指標を使用し、現在のトレンドを確認、ひいては取引戦略の実行可能性を確認することができます。
- エントリー・エグジットシグナル モメンタムは、イナーシャと併用することで、トレーダーがエントリーシグナルとエグジットシグナルを識別するのに役立ちます。 両指標が同じ方向に動くと、エントリーシグナルを受け取ることができますが、両指標が乖離した場合は、取引を終了する準備をする必要があります。
- 市場の方向性 モメンタムは、特定の時間枠における価格変動に関する情報しか提供しません。ですが、他のツールに加えて適用すれば、市場の潜在的な軌道を確立するのに役立つことができます。
モメンタムの種類
相対力指数(RSI)
相対力指数(RSI)は、価格変化とその速度を測定するために使用される人気のモメンタムです。 この指標は、0と100間を行ったり来たりするオシレーターとして機能しています。 指標がダイバージェンスを示したり、センターライン(50)を超えた場合は、現在のトレンドが今後反転することを示唆しています。 またRSIは、買われすぎ(70以上)、売られすぎ(30以下)を判断するのに役立ち、トレーダーは次の行動を準備することができる。
移動平均収束線(MACD)
MACDは、最も有名で広く普及しているモメンタムです。 通常、12日と26日の指数移動平均(EMA)の2つの移動平均の関係を表すオシレーターとして機能しています。 MACDは、12日EMAから26日EMAを抜き出して算出します。 その結果、—MACDライン—は、9日EMAと並んでグラフにプロットされ、シグナルラインとして機能しています。
2本の線が重なり、収束または乖離した際のその後の動きは、現在の勢いを示しており、トレーダーに買いまたは売りのシグナルを与えます。 例えば、MACDがシグナルラインを下回り、それらが交差する前であれば、この指標は買いシグナルを出します。 その一方で、MACDがシグナルラインを上方から横切った場合は、トレーダーは売り注文を出す準備をすることができます。
平均方向性指数(ADX)
平均方向性指数 (ADX)は、現在のトレンドの強さと方向を判断するのに役立つモメンタムです。 テクニカルでは、トレーダーは3つの異なる指標を同時に使用します。:ADXそのもの、マイナス方向指示計(-DI)、プラス方向指示計(+DI)です。
ADXラインは、両方の方向性指標と並び、グラフ上にプロットされ、値は0から100まであります。 方向線は、トレンド方向を判断するためのもので、ADXラインはその強さを測るものとなります。
例えば、-DMIラインが+DMIを上回った場合は上昇トレンド、+DMIがその上を上回った場合は下降トレンドとなります。 トレンドの強さは、ADXラインの値で判断しています。 値が25より高い場合、トレンドが強いと言えます。 しかしながら、ADXラインが20を下回った場合、トレンドが弱いと言えます。
変化率(ROC)
変化率(ROC)とはモメンタムの一つで、ある一定期間の資産価格の変化率を測定するものです。 これは、ある資産の現在価格と、異なる先行する時間枠の価格を比較するものです。
この指標は、トレーダーが市場の動きの方向を特定するのに役立っています。 ROCがプラスの場合は、市場は強気となり、その逆も然りです。 ROCが上昇すれば価格も急上昇し、逆にROCが急降下すれば価格も急降下します。
ストキャスティクス
このモメンタムは、ある資産の現在終値と、特定の時間枠で取られた過去の価格を比較するために使用されています。 これは、トレーダーに市場の勢いとスピードに関する情報を提供しています。ですが、現在の取引量や取引資産の価格については考慮されていません。 これは、トレンドの反転シグナルを識別する上で、最もよく使用されます。
ストキャスティクスは、グラフ上に線として描かれており、0から100の範囲でスケーリングされます。 オシレーターが80以上に上昇した場合は、買われ過ぎであると言えます。 一方で、20を下回った場合は、売られ過ぎと言えます。 買われすぎた資産はいずれまた売られ、その逆もまた然りです。なので、トレーダーはトレンドが反転する可能性に備える必要があります。
2023-05-11 ・更新