金取引戦略
金の価格が他の商品や外国為替市場の通貨ペアと同じように動かないので、その取引は簡単ではありません。しかし、金取引で成功するためにいくつかのよく知られている戦略があります。
ニュースでの取引
通常の統計のほかに、金は政治的・経済的要因、世界的な災害、テロ攻撃、危機の影響を受けます。その理由は、金は株式市場や原料市場との緊密な関係を持っているということです。金の値動きは、通常のロジックに従いません。ニュースでの取引は、主要な公表やイベントの後にのみ成功することができます。価格の方向性がわからないので、イベントの直後にポジションを開かないことを強くお勧めします。たとえば、株式市場の急落は金価格の上昇をもたらします。その結果、ロングポジションを開くことができます。
ファンダメンタル取引戦略:相関関係
金と米ドルが強い負の相関関係を持っているというのは秘密ではありません。つまり、金と米ドルは逆の方向に動きます。金の買いシグナルは米ドルの売りシグナルとなり、逆も同様です。大事なのは、それらのうちの1つが他のものより早く形成され、利益を得るチャンスをつかめることです。
米ドルとの相関関係を利用して金を取引する戦略は次のとおりです。
- 第一に、同時に使用するプラットフォームで金価格チャートとと米ドルのクロス通貨ペアのチャート(例:米ドル/日本円)を開いてください。両方のチャートを同じ時間枠(たとえば、H1)に設定する必要があります。
- 第二に、両方のチャートの重要なサポートレベルとレジスタンスレベルを決定し、ブレークアウトを待ってください。さらに、価格の可能な方向性を見つけるためには、ローソク足の形に注目してください。
時々米ドル/日本円のチャートではレジスタンスラインを見つけることができますが、金価格のチャートでは明らかなサポートラインを決定できない場合があります。しかし、米ドル/日本円のチャートでレジスタンスラインのブレークアウトに続いて金価格のチャートでは売りシグナルが発生します。したがって、米ドルが米ドル/日本円のペアで強い場合、それは金の売りシグナルとなります。
米ドル/日本円のH1チャートでは、ベアローソク足が形成されました。それは金を買う強いシグナルを与えました。トレーダーがこの機会を利用すれば、金の上昇価格で良い利益を上げることができます。
一方、金は豪ドル/米ドルと正の相関関係があります。オーストラリアは世界最大の金生産国の一つとして知られています。そのため、オーストラリア準備銀行は金準備のバランスをよく保つ必要があります。金は、オーストラリアの準備銀行によって行われた金融政策の変更や基本データに反応します。下の図に、2016年に行われた利下げが金の売却につながったことを示します。
季節的な取引戦略
金の値動きは、その季節的なパターンと相関しています。金は、1年のある時期に強くなり、他の時期に弱くなります。さらに、これらの時期は、一年のうち部分的に繰り返されます。金は、年の第1四半期にも、第4四半期にも上昇する傾向があります。
- 最初のステップは金価格が上昇する傾向があるときに金を買うことです。それは、年の初めに(1月と2月)起こる傾向があります。
- そして、テクニカル分析、オシレーター系指標(MACD、RSI)、潜在的な反転を示すローソク足の形に基づいて、他の確認を待ってください。
- 金が1月に季節的なパターンに従っている場合、ロングポジションを選択してください。
- 2月末までに利益を固定してください。金が最初の数ヵ月で季節的なパターンをフォローしていれば、季節的なサイクルが続く可能性が高いです。季節的なパターンによると、3月は金を取引する最悪の月なので、3月の前にポジションを終了するお勧めします。
ヒント:チャートに表示される金の現物価格は、主要金産業のプレーヤーがオークションを行った後、10時30分および15時00分(GMT時間)前後に設定されます。ほとんどのトレーダーは、この間ポジションを開閉します。ですから、この期間内に金を取引することが推奨されます。
まとめ
金の特徴は、その時引きが特別な技術を求めることです。 相関戦略または季節的な取引戦略を利用できます。しかし、金に影響を与える可能性のあるすべての要因を考慮に入れてください。これはリスクを防ぎ、取引をより有益にします。