米ドルの運命は？

ドルインデックスは、この2年間で最低水準に落ち込みましたが、まだ回復の余地があります。

JPモルガンは連邦準備の利上げ開始後も、米ドルは上昇を続けることができると考えています。連邦準備制度は、1980年代以来、最速のインフレを抑えることに苦労してきました。ドル指数は、過去1年間で約5％上昇し、上昇トレンドが終わったか否かについては疑問が投げかけられています。

しかしながら私たちの見解では、米ドルは上昇し、より大きな利益を上げる余地があると考えます。市場は、依然として価格発見方法にあり、経済データと連邦準備制度の決定の価格設定を行っています。通常、ドルのピークは連邦準備制度理事会の利上げ後、1〜2か月になることに注意してください。

前回会合でのジェローム・パウエル大統領からのタカ派コメントを受け、今年5回の利上げに対する市場の期待が強まりました。米国中央銀行は、3月に行う会合で50ベーシスポイントの利上げ開始をすると選択する可能性があります。

これは明らかに型破りなサイクルなので、市場は連邦準備制度理事会に注目し、次の動きを予測しようとしています。例えば、当初、連邦準備制度理事会は、パンデミックに関連するサプライチェーン問題が収まった場合、インフレが落ち着くと予測していました。しかしながら、最近このプロセスに、予想よりも時間がかかっていることが認められました。

米ドル障害

ドルは、欧州中央銀行とイングランド銀行からの傾向の大幅変化によって、上昇トレンドを妨げる障害に直面する可能性があります。

イングランド銀行と欧州中央銀行は、どちらも市場の期待に応えました。 BoEは、2回連続で金利を25ベーシスポイント引き上げ、0.50％にしました。それと同時に、ECBはその政策を変更せず維持しましたが、ユーロ圏を攻撃するインフレリスクに対処する際、その姿勢を変えました。

先週金曜日にユーロが、今週初め3週間で最高値で落ち着いた後、ドル指数は2年間で最悪の週を記録しました。しかしポンドは、ECBとBoEからの強いシフト後に上昇しました。 EUR/USDは、ECBクリスティーヌラガルド総裁がインフレリスクの上昇を認めました。また、今年の利上げの可能性はとても低いというガイダンスの繰り返しの拒否後、先週金曜日には、価格行動に大幅な上昇が見られました（2020年12月以来の最大1日変動）。これは、世界で最もハト派的中央銀行の1つに対する、金融政策の傾向の急激な変化を示しています。これによって、以前は受け入れられなかった2022年ユーロ圏での利上げ決定が、現在は利用可能となっています。

それにも関わらず、ユーロの上昇は短期的継続とはならず、連邦準備制度理事会の引き締めが迫り、ドルを強力に支えます。

米国経済は改善しています

米国雇用データは、予想よりも強力となり、先週金曜日にドルを支えて、米国通貨の打撃から一週間後にドル指数を95.46へ押し戻しました。米国経済と労働市場が改善するにつれ、これは連邦準備制度理事会が、3月の会合で政策を引き締めて、金利を引き上げるということにつながるでしょう。

結局のところ、ドルはまだピークへ到達していないので、強気トレンドが続くと予想されます。しかしながら、米ドルはECB引き締めの支援を受け、ユーロ高に苦戦する可能性があります。これによって、利益が抑制される可能性があります。それにも関わらず、上昇傾向を潰すことはありません。

Author: Amira Mohey

この著者による詳細