ボリンジャーバンド: この指標を使うためのガイド

ボリンジャーバンド(BB)は、ジョン・ボリンジャーによって開発されたクラシックなトレンド指標です。「ボリンジャー・バンド入門」にて詳細な利用法が紹介し、他のテクニカルツールと組み合わせる方法を説明します。BBは世界中のトレーダーの間でとても人気があります。

ボリンジャーバンドについて

 一般的な指標は3本の線(バンド)で構成されています。ボリンジャーバンドの中央には単純移動平均線がありますが、その移動平均線の上下の線の間で株価が動く確率が、それぞれ想定されています。通常、中央線の期間は20日です。

ボリンジャーバンドはエンベローブ指標と共通点があります。違いは、エンベロープが移動平均線より任意の乖離率でもって、上下に離して線を描くものですが、ボリンジャーバンドが移動平均値に算出された幅(標準偏差)をその上下にバンドとして描くチャートです

設定方法

ボリンジャーバンドはMetaTraderの初期設定のインディケータに含まれています。チャートに追加するには、「挿入」→「インディケータ」→「トレンド系」をクリックして、「ボリンジャーバンド」を選択してください。

ボリンジャーバンド

 MTは、期間として「20」の移動平均を使用し、ボリンジャーバンドの標準偏差として「2」を提供します。必要な場合はこのパラメーターを変更できます。13〜24の期間と2〜5の標準偏差を使用することが推奨されます。たとえば、長い時間枠の場合は「50」の期間と「2.1」の偏差、短い時間枠の場合は「10」の期間と「1.9」の偏差を使うことができます。期間が短いほど、指標によってより多くの取引機会が提供されるので、注意してください。しかしその場合、ダマシシグナルの数も多くなるでしょう。同時に、期間が長ければ、指標はあまり敏感ではなくなります。これはボラティリティが低い相場には適していません。

まとめとして、取引商品にボリンジャーバンドを調整するのは賢明でしょう。価格が上下の線を交差する頻度が高すぎる場合は、期間を長くする必要があります。一方、価格が上下の線にあまり達成しない場合は、期間を短くする方が良いです。

BBは日足の時間枠の方が一般的ですが、すべての時間枠で使用できます。また、BBは、メインチャートから独立してオシレータ系のサブチャートに表示できます。たとえば、ボリンジャーバンドの「適用する」プルダウンメニューで「過去の指標データ」または「初期の指標データ」を選択することで、BBをRSIに適用できます。

ボリンジャーバンドの使い方

 価格がボリンジャーバンドの内に収まる確率は95%であり、バンドの外へ出る確率はわずか5%程にしかすぎないと仮定されています。

ボリンジャーバンドは、ある期間の通貨ペアの価格が期間の平均値からどれぐらいバラツイているかを判断するのに役立ちます。中央線はサポートライン/レジスタンスラインとして使用できますが、上下の線は利益の目標として使えられます。さらに、上下の線からの反転で取引する戦略もあります。

ボリンジャーバンドの傾きと中央線に対する価格の位置により、現在のトレンドの方向性を判断できます。ボリンジャーバンドに上向バイアスがあり、価格が中央線を超える傾向がある場合、上昇トレンドです。逆に、負バイアスがあり、価格が中央線の下にほとんどの時間を費やしている場合、下降トレンドです。

ボリンジャーバンドはボラティリティを示す指標

 BBの特徴は、バンド幅の変化はボラティリティの変化を表すことです。ボラティリティが大きいと(たとえば、重要なニュースが出た場合)バンド幅が広く、小さいとバンド幅が狭くなります。 

その結果、ボリンジャーバンドは市場が安定な状態から活発な状態に切り替わった瞬間を把握するのに役立ちます。バンドが互いに近づくと、ボラティリティが小さい市場で取引しており、ボラティリティの拡大が近づいていることを示します。したがって、最近の範囲のブレイクアウトを予想できます。

下図の例を見てみましょう。バンドは圧縮し、価格はレジスタンスを上抜けして、上昇しています。

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トレンド相場では、バンド幅が広がれば、トレンドの継続を意味します。一方、バンド幅が狭くなれば、トレンドは弱まっており、トレンド転換の可能性を示します。

上限(下限)のバンド外に出る動きでの取引

通常、価格が上限のボリンジャーバンド外に出ると、トレンドの開始または継続のサインとなります。価格が上限のBBに達成して、ブレイクすれば、上昇トレンドです。逆に、価格が下限のBBを下回る場合、下降トレンドです。

BB_2.png

ほとんどの場合、価格は上限(下限)ボリンジャーバンド外に4本以下のローソク足を使います。その後、調整が行われます。トレンド相場の場合は、価格はバンド内/バンド外に長い時間を費やすことができるので、注意してください。

上限(下限)バンドからの転換での取引

 ボリンジャーバンドはオシレーターとしても機能できます。価格が上限のバンドに達すると、取引商品が比較的高価で、買われすぎのシグナルとなります。一方、価格が下限のバンドに達すると、取引商品が比較的安高価で、売られすぎのシグナルとなります。買われすぎと売られすぎが調整につながるのは常識です。

ただし、先に述べたように、トレンドが強い場合は、価格は長期間にわたってリトレースメントせずに上限(下限)バンド内/外にある場合があります。その結果、上限(下限)バンドからの反転で取引したい場合は、ローソク足パターンまたは他の指標で相場の反転を確認する必要があります。

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 上図では、上限バンドからの反転が、弱気のローソク足パターン(宵の明星)およびRSIと相場のダイバージェンス(発散売り)によって確認されているのを表示されます。

上限(下限)バンドの近くに相場の値動きの特別な例があります。W型ボトムは二つの谷が形成され、下落トレンドを示します。二つ目の谷が一つ目より低く、下限バンドの上にある必要があります。M型トップはW型ボトムの逆パターンです。最も基本的な形成では、ダブルトップに似ていますが、山(高値)は必ずしも一致しません。一つ目の山は二つ目より高くなるまたはより低くなる場合があります。M型とW型のシグナルのためにボリンジャーバンドを使用すると、一般的なM型とW型のチャートパターンより早くシグナルを見ることができます。

BB_4.png

中央線の交差での取引

 中央線は変動しているサポートライン/レジスタンスラインとなります。価格がBBの中央線を交差すると、トレンド転換を示します。しかし、その場合は確認するのを忘れないでください。

また、トレンド転換の前に価格がよく中央線を突き抜けてみるため、そのダマシシグナルがトレーダーの心を惑わせることがあるので、注意してください。

価格が下限バンドから外れ、中央線を下から上に抜ける場合、上限バンドが上限目標価格になります。強い上昇トレンドでは、通常、価格は上限バンドと中央線の間で変動しています。したがって、強い上昇トレンドの場合は中央線で買い注文する可能性を考慮してください。上昇トレンドがそれほど強くない場合、調整がより深くなり、下限バンドに達することができます。強い下降トレンドでは、中央線で売り注文する可能性を探してください。しかし、下降トレンドがそれほど強くない場合は、リトレースメントによって価格が上限バンドまで上がることができます。  

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まとめ

ボリンジャーバンドは、優れた取引システムの基盤になることができる非常に有用なテクニカル指標です。それは変動するサポートラインとレジスタンスラインを提供し、ボラティリティの変動をビジュアル化します。このツールの使い方を習得してください。

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